ホームセンターに行った時、知られていないような花の品種名に、
知られている食べものやスイーツの名前をつけているあたりに、
私の作風と同じ「におい」を感じました。
このように、ある部分をうまく変換すると、
相手のそばにグッと引き寄せることができる場合があります。
私もよく、ぜんぜん違うものを、自分の大好きな、
スイーツも含めた食べものに変換することが多いです。
逆に、スイーツも含めた食べものを、これまた自分の大好きな、
音楽も含めた芸術に変換することも、少なくありません。
この手法が使える代表例が、スーパーやホームセンターです。
今まで私が見かけた例を、ここで挙げていきます。
●サバ
私も作品に、取り入れました。
切り身(生の状態)には、暗い青を中心とした背景に、
古印体(書体の一種)のような黒いうねうねがあります。
焼くと茶色を中心とした背景に黒いうねうねとなるので、
そのギャップも惹かれるのが「サバ」です。
その目立つ見た目からは、メランコリックな音楽に近いものを感じさせます。
生の状態の時は青と対照的な色の黄色も、さし色としてあるので、
さしこむ光など、プラス要素としてほかのイメージを取り入れることができそうです。
●ゴルゴンゾーラチーズ
ブルーチーズの一種で、 白い背景に、青い雷のように筋の走ることがあります。
シノブ石(忍石、白い背景に樹木のような模様の見られる)につうじるものを感じています。
●チョコレートコスモス
すでに音楽としてあるみたいで、私も音楽ではない作品に、取り入れました。
今回の手法では、とても当てはまっている定番の例と言えるでしょう。
クイズ番組で、三つの選択肢から正しい名前を答える問題として、取り上げられたくらいです。
暗赤色のコスモスで、花からはなぜか自然と、チョコレートのような匂いがするのです。
暗赤色もチョコレートに似合う見た目、個人的に「お菓子の曲調」と呼んでいる、
(時にはスヴィングもきかせた、)ジャズに近いものを感じさせます。
……まだまだありそうですので、それはまた、書く機会がありましたら。
このように、スイーツも含めた食べものを、音楽も含めた芸術に変換することもできます。
同時に、ある部分をうまく変換すると、
相手のそばにグッと引き寄せることができる場合があるのです。
前にブランディング戦略として、野菜の品種名のつけ方を
工夫している手法を見かけましたが、これもそうです。
芸術やブランディングから見た、連想・変換・連結の可能性や、
スーパー、ホームセンターの可能性も、まだまだ未知の魅力がありますね。